番外編:マナー① 最近の日課

みなさんこんばんは!蟻です。

先週の栗のブログを受けて、私もディベートを始めた理由について書きたいと思います。(今回はかなりパーソナルなことも入ってきます)

私は、高校時代模擬国連をやっていました。国連の決議文書がすごく好きで、言葉一つ一つの微妙な重みの違い、国々の思惑を緻密に合わせてちゃんとコンセンサスに至る過程、ああ、こういう交渉を経てこういう文言が作られていくんだな、という実感が面白くて、高1のころは国連文書を読んだり、次の会議に向けてのリサーチをしていたりしました。そのリサーチ、早口の活躍している感、文章作成は日本では評価されました。

でも、高校二年生で出た模擬国連の国際大会では、全く評価されませんでした。同じことを全部したのに、私と相棒が作った文章を読み上げた子たちが評価されていました。

その後、私はなんで評価されなかったのか、何が足りなかったのかを考え、結局は一つ、「It's not what you say, but how you say it」にオチルんだな、という結論に至りました。

ディベートを始めたのは、人の前に立つとアガってしまう自分、人とちゃんと関係を構築できて自分が伝えたいことを伝えられない自分を克服するため、です。

平たく言えばマナー改善のためにディベートを始めた、というところですね。

 

でも、私はディベートの戦略的面白さや議題の多さに没入するあまりその初心を忘れ、最初の三年は、ゆっくりしゃべろう~と紙の端に書き続けつつも、そのトレーニングを怠り、ただラウンド練をし、ただリサーチをする無策のディベーターでした。

だから、マナーは全く改善されませんでした。速い~?ということに少し変なプライドもあったのかもしれません。

それに、最近のいろいろな大会での成果が伸び悩んできたこと、あるいは就活などを通してもう一度向き合い始めてきたのがつい最近です。

自分のマナーの課題は

・滑舌の悪さ(噛んでしまったり、言葉を飲み込んでしまうこと)

・スピード

・自信のなさが言葉からにじみ出ていること

などがあると思います。それぞれでどういうことに取り組んでいるかちょっと書いていきます。

 

・滑舌の悪さ:

早口言葉の練習を毎日15-20分しています。

https://www.engvid.com/english-resource/50-tongue-twisters-improve-pronunciation/

鏡見ながら、顔の表情が左右対称になっているか、顔の筋肉がきちんと動いているかを確認し、アクセントを違うところにおいて見つつ、めちゃくちゃゆっくりから割と速くまでテンポをあげつつ10回以上噛まずに言う練習です。

まだ2週間ほどしか続けていないのですが、表情筋を伸ばす分日常会話でもあまり噛まなくなった気がします(まだ多分気のせい)

あと、笑顔が少し自然になった?気もします。英語の発音練習などしたい人にはおすすめです!

 

・スピード

日常会話の段階から直そう!ということで、話すスピードを落とすように心がけています。というか、スピードを落とすよりは、丁寧に一文字一文字話すようにして、声をなるべくきれいにすることを心がけています。

また、私は普段の言葉遣いが汚いので(じゃね?やcuss word多用)、いちいちどういう言葉を発するか頭の中で考えてから話す練習をしています。

スピードが速いのは必ずしもマナーが悪いのとは同地ではないと思いますが、きれいに話すことはマナーがよいことにつながると思うので意識すると何か変わるかもしれません!

 

・自信のなさが言葉からにじみ出ていること

一番強調したいのはここです。私は、ずっと自分の容姿や運動神経の悪さにコンプレックスを抱いてきて、いくらほかのことで努力しても、「でも私は結局ブスだし、ほかの人ほどは価値がない(だから人の三倍頑張らないといけない、だからいくら頑張っても認められないのどっちか)」という風に自分を見てきました。その自信のなさ?がスピ―チ・ジャッジングにも表れて、例えば語尾が質問状にすべて上がるとか、例えば速くなってしまうとか、焦ってしまうとか、噛んでしまうとか、色々問題が生じています。マナーがあまりよくないのも結構ここに起因しているような気がします。

日本人のスピーチってどことなく自信がなさそうな人が多い気がするんですよね。特に女子とか。自分の同期見てても、後輩見てても、本当にこれ言っていいのかな…?という風に思っているんじゃないかと思わされるスピーチが多いです。

逆にうまいと言われている人たちは、多くがもう俺絶対正しいから~みたいなドヤ感をもって話しています。

そのドヤ感身に着けるのって、どうやればいいんだろう、と三年間模索したのですが、結局自分に正直になってコンプレックスに向き合うことからなのかな、と最近では思っています。

なので最近はランニングをし、化粧動画をあさり、姿勢を常に正すように意識し、そのドヤ感を常日頃から出せるように練習をしています。

 

マナーって誰も教えてくれないですよね。

というか、教えられないと思います。

私はもう、自分の好きな自分、一番説得的な自分を毎日磨き続けるしかないと思います。

なので、オーソドックスなディベート練習からは外れますが、こういう小さい試みも、マターロードの傍ら、続けていきたいと思います。

 

Development Organizations

こんにちは、栗です!

書き込むのはこれが初めてなので、発展に関するリサーチ内容の後に私がディベートに関して普段考えていることなども少し綴っていきたいと思います。

今回は、発展途上国の開発を支援する機関を調べてみました!

途上国と一言に言っても、先日の蟻の投稿のように色々な段階があるのですが、「次の段階」に移行するためには自分たちの力だけだと足りないことが多くあります。先進国の投資家も信用してくれないし、どこから資金を得ようか、、、という途上国を支援するのが、IMFやWBなどの機関です。それぞれの働きを少し見ていきましょう。

まずは大前提ですが、「支援」だからといって「募金」ではありません。何十億ドルという規模になる以上、それはほとんどの場合「融資、貸付」という形になります。

THW cancel the third world debt などというモーションはこの辺りに大きく関わってきますが、先進国がどのような責任をどこまで負うかのお話はまた今度にでも。

1. IMF

厳密に言うと、IMFは「融資」をするのではなく、自国通貨が弱くて外貨を買い入れることが困難な発展途上国IMFの準備資産から外貨を買い入れ、将来また自国通貨を買い戻す時に「返済した」と見なされる仕組みです。

現在融資を受けている国は全て発展途上国新興市場国、あとは計画経済から市場経済へと移行している国です。これらの国は、経済状況などの理由で、国際資本市場から外貨を調達することが困難で、対外的な支払いや適切な外貨準備の水準維持が難しくなっています。

世界銀行との大きな違いは、プロジェククトベースでの融資を行っていないことです。マクロ経済、金融機関、あとはそれと関連の深い労働市場などについて支援プログラムを作って実行しますが、用途が細かく定められた融資というわけではないようです。

また、実際に必要な分の外貨に比べたらごく一部しかIMFの支援は占めませんが、IMFの支援を受けている、という事実が対象国の経済が軌道に乗っていることの証左になるため、投資家や国際社会に安心感をもたらし、追加の融資を触媒する働きにもなっています。(逆に言うなら、IMFが拒否したら他のところで投資を得るのは簡単ではない、ということです。)

さて、IMFの大きな問題点として、「本当に途上国のためになる戦略を提示しているのか?」という問いがあります。いわゆる「構造調整(structural adjustment)」の話ですね。上に述べた支援を実行するために、約束として途上国が守らなければならない条件です。

まず前提として、IMFの議決権はどうなっているのでしょうか。WTOは各国一票ながら、全会一致制をとることによって先進国が数の多い発展途上国を抑え込む構図になっていますが、IMF世界銀行の議決権はもっとシビアに、「出資額に応じて」となっています。現状ではアメリカが18%ほどの議決権を担っており、他の追随を許しません。そのためIMFのconditionalityを、アメリカへの隷属だとして批判する人もいます。

さて、構造調整の中身として主に挙げられるのが、緊縮財政と自由化です。IMFはこれらのフリードマン新自由主義的な政策を推し進めてきており、それによって各国の経済に時として破壊的な結果をもたらしました。(2005年にIMF自身、この理論に問題があったことを認めています。)

新自由主義の問題点として、国内の産業が壊滅することが挙げられます。映画「ジャマイカ楽園の真実」に描かれているようなので一度見てみたいのですが、主に米国の安い商品を国内で流通させたようです。結果として、債務に金を吸い取られるだけになって公共サービスなどの質が劇的に悪化したと。

失敗とされている例としては、1997年のアジア通貨危機があります。タイのバーツが急落したことに端を発する、東南アジアを中心とした経済危機ですが、この時タイ、韓国、インドネシアIMFの支援を要請してconditionalityとして提示された政策を実施した結果、快方に向かうどころかむしろ状況が悪化し、マレーシアなど支援を断った国々は、被害は受けたものの傷が広がることはなかった、といった事例です。

タイでは財政緊縮(政府支出の削減、利子率の上昇)が、景気後退期においてさらなる総需要の減少を招きました。企業はリストラを余儀なくされ、失業者が街に溢れかえる状況に。

韓国も、景気がV字回復したという裏には、外資を受け入れてその傘下に入ることで富を得るものと、解雇をしやすくする労働市場改革の犠牲となって倒産、失業へと追いやられるものとの間の格差が決定的になりました。

その他アフリカなどの国々も多くがこの構造調整によって苦しめられていますが、支援をしてくれる機関がIMF, WBくらいしかないので従う以外方法がない、という状況になっているようです。

2. World Bank

世界銀行には2つの貸付のタイプがあります。

1つ目はIBRD(International Bank for Reconstruction and Development)です。 比較的高所得の発展途上国を対象としたもので、市場金利に近い金利で返済でき、また商業銀行からもお金を借りることができる国のため。商業銀行で借りる時よりも返済期間が長く、また支払い猶予機関もあります。貧困削減、社会サービスの向上、環境保全、経済成長などの特定の事業に対する支援を行います。IBRDは AAAランクの信用格付で、世界の金融市場でその債券を売却することで資金調達を行います。

2つ目はIDA(国際開発協会)が最貧国に対して行うもので、これらの国は国際金融市場では信用されず、また市場金利で返済できません。そのためこれらの国に無償資金や信用(無利子の貸し出し)を供与することで、貧困の解消、生活水準の向上を図ります。

また、世界銀行の貸付の対象は政府だけですが、実際にはNGO、民間企業などの地域社会と緊密な連携をとるように政府に奨励しており、支援されるプロジェクトのおよそ半分は現地のNGOが協力しています。

そして、民間の開発が早急にできるような部門への貸付を積極的に行っています。(金融、電気、ガス、工業など)。世界銀行は民間を直接支援することは禁止されていますが、姉妹機関であるIFCは、ハイリスクの部門や国を支援し、民間への投資を拡充させるために存在しています。ちなみにもう1つの姉妹機関MIGAは、発展途上国に投資や貸付を行う人々に政治的リスクに対する保険を提供しています。

世界銀行の支援は金の貸付だけにとどまらず、技術支援が伴います。総合的な国家予算はもちろん、農村への診療所の設置、道路の建設などにどのような設備が必要かについても助言を与え、その専門家育成プロジェクトも支援しています。

3. Micro finance organizations

マイクロファイナンスは、「理念は素晴らしいけど実情が徐々に乖離してきている」印象。

これは国家やプロジェクトベースではなく、個人単位の融資です。一般の銀行は利潤追求が主な課題なので、基本的に裕福で返済能力が担保された人にしか貸付を行いません。結果として、貧しい人々、事業(と言っても、ビジネス!というよりは農業、個人商店みたいなレベル。牛を買いたい、的な。)を始めたくても資金調達に困っている人々、特に銀行を利用することができない女性たちは、法外な金利を貪る高利貸しを頼るしかなくなっている状況でした。

ここに現れたのが、自身の利潤追求に加えて貧困の削減を念頭に置き、主に女性に融資を行うMicro finance organizationsです。一番権威があり有名なのは、バングラデシュグラミン銀行。銀行員が毎週集会を開いて、資金繰りの方法を個別に相談。借りてをフルサポートして、生活の水準も上がり、借り手としての信頼性も増していく。返済率はなんと98%!!

さて、一見素晴らしく見えるマイクロファイナンスですが、問題点があることも事実です。まずはその資金。90年代に爆発的に増加した機関は、公的資金だけでは自分たちの資金を賄えなくなり、資本市場でファンドを得なければならなくなりました。欧米諸国の投資家たちが、この事業に持続可能性や収益性を見出し、「旨味のある事業」として投資しているのですが、その結果として利潤追求のインセンティブが大幅に強化されることになりました。そのため、実際の内容は高利貸しと全く変わらないような機関が出てきています。

例えばインドでは、マイクロファイナンス事業が盛んな州において、2010年の3月から11月までに、マイクロファイナンスでの借金などを苦にして70人余りが自殺しました。

今後の課題としては、金利や融資条件の透明性の担保、顧客のケア能力の増大などが挙げられます。貧しい人々にとってのほぼ唯一の救いの手であることには変わりがないのです。

さて、ここまでがdevelopment organizationsについての基本的な情報です。他にもNGOなど沢山あるのですが、その活動は非常に多岐に渡ります!

ここからは雑談!

僕が普段ディベートをどのように捉えているかについて、徒然なるままに少し書いていきたいと思います。

ディベートの楽しみって本当に人それぞれで、正解も不正解もないと思うんです。パートナーの蟻は知識が得られるのが大きな楽しみだと今朝語っていましたし、普通に勝ちてえって人も多くいるはずです。

ディベートしてマイノリティの権利語ってる、女性の権利語ってる奴が現実世界でそれと逆の言動をしてるとヘドが出る」みたいに言う人をよく見かけますが、まあもちろんそれはそうって感じであると同時に、ある程度仕方ないのかなとも思います。ディベートの楽しみも捉え方もそれぞれだし、何もディベーターだからといってそれ以外のすべての側面でディベーター然として振る舞わなければならないとは思いません。

じゃあお前はどう捉えているんだ、何が楽しくてやっているんだ、という質問なのですが、おそらく私は英語でのパブリックスピーチが好きなのです。日本語ではあまりできないけど。

自分で話した言葉によって誰かのアタマやココロを動かせる、という行為自体への憧れだと思います。だからyoutubeで見る動画は、ディベートの音源というよりも歴史上の有名なスピーチが多いし、普段のスピーチでもわかりやすさとマナーにはいつも気を配っているのだと思います。Martin Luther King Jr.も、チャップリンのThe Great Dictatorのスピーチも、エマワトソンのHe For Sheも、ああいう風にスピーチしてみたいなーって思いながら見ています。

ESSのアカデミックディベートセクションかスピーチセクションかに移るとすれば絶対に後者を選びますし、そこそこうまくやっていけるとも思います。ただ、大学生スピーチコンテストの動画を見てもイマイチ響かないのは、「教育が大事!」とか「留学生に優しくして!」とか言われても、うんそれはそう。って思って終わってしまうから。それに対してディベートは、相手がいる。それはそう。ってことだけでなく、controversialでcontentiousな所にダイレクトに説得を試みるその姿に憧れているんだろうなと思います。

しかし、きれいに響くだけでは不十分で、信じさせるためにはそれを裏打ちする知識そして中身が必要です。(ここが今の僕の病で、闘病を試みているところなのです)

周りの人たちの知恵や支えも大いに借りながら、いつか人を動かせるスピーチができるようになれたらイイな、と思うところです。

今後もよろしくお願いします!ブログはまだまだ続きますよーーー!!

各論① 発展について

どうも、蟻です。

本当は日曜あたりにポストしようと思ったんですが、風邪をひいてぶっ倒れてしまい、パートナーの栗はテストに追われてしまっていたので遅れての投稿になります><

 

今週(先週)は、「発展」に関するモーションに集中し、プレパ練習+理論の勉強をしていました。以下では、私見で、

①「発展」モーションって何?

②「発展」で使える理論

について、軽く書いていきたいと思います!

 

①「発展」モーションって何?(以下、栗がまとめてくれました)

THW make developmental aid contingent upon XX (democracy, environmental regulation...)
THBT developing nations should make English the single official language)
THBT developed countries shouldn’t accept XX from developinging (doctors, skilled workers...)
THBT ing should XX (not host international sporting events, ban members of political dynasties from running in elections, impose heavy tariff on art prodects from developed)
THBT ing should nationalise XX (essential services, natural resources, food supply)
THBT economic development organizations (IMF, WB) should not make their aid conditional on trade liberalization
などですね。

 

②「発展」で使える理論

それぞれのディベートで、議論したらよさそうなことは若干変わってくると思いますが、大まかに通底することとして

☆あるべき「発展」とは何か?

☆どうしたらその「発展」にたどり着けるのか?

☆それに対して誰が誰に対してどういう責任を負うのか?(特に先進国・国際機関→発展途上国へ)

ということなどが問われている気がします。(先週の練習があまり効率化できていないかったので、モーションの体系化ができていません。もしどなたか発展型モーションのクッキーカッター・ヴァリュー対立・トレードオフとか体系化している方がいれば、コメントに書いてください…参考にさせていただきます。)

そこで、この3つの問いに関して、どういう立場が取れるかについて、ちょっと書いていきたいと思います。それにあたって参照するのが「発展理論」(Development Theories)です。

 

☆あるべき「発展」とは何か?

そもそも、「発展」って何?

この問い、考え始めると意外とむずかしいです。最初、私は「発展」と言うと、漫画ナルトのこの葉隠れの村が一話の昭和っぽい商店街一軒家の街から710話(かな)の電力化された高層ビル立ち並ぶメトロポリスに変わりましたとさ、というイメージがあります。西洋的・近代的・資本主義的な生活事実が根付いた環境ですね(忍者はいるけどあれは西洋です)。

でも、果たして、我々が例えば現代日本で築いた大量消費社会は私たちの先祖の江戸時代の社会より「発展」した、と本当に言えるのでしょうか?あるいは、私たちの社会が、例えば伝統的な文化を維持している北センチネル島の民族より「発展している」、だから、暗に示唆していることとして、優れていると言えるのでしょうか?

「発展」をどう考えるかについては、色々な人がいろいろなことを言ってきました。ディベートでは、その概要と変遷を一応把握することは大事なんじゃないかなと思います。(☆どうしたらその「発展」にたどり着けるのか?は、求めている発展の種類によります)

発展の理論について、少し時代をたどってみていきたいと思います(ウィキペディアのDevelopment theoriesというページ、それに関連したページ、また以下のサイトなどを参照しています。

https://www.britannica.com/topic/development-theory#ref307656

www.sagepub.com/sites/default/files/upm-binaries/18296_5070_Sumner_Ch01.pdf

http://www.owen.org/wp-content/uploads/Development-and-Complexity-Slides.pdf

 

1.近代化理論(Modernization Theory)

端的に:西洋的な発展にみんないつかたどり着く!それが最高!みんなで目指そう!

主な論者:Rostow

時代:1950年代、60年代(第三世界を共産化させたくない!という問題意識)

批判:みんな同じ風に発展するわけじゃなくない?

備考:

①現在でも、「発展」にある程度このイメージはある。

②経済発展を重視したとき、Rostow はBalanced Development(すべての産業が並んで成長するんだよねーと)、HirschmanはUnbalanced Development (特定産業を優先的に伸ばしていく)を主張。後者が効果的であるとされている。

 

2.世界システム論・従属理論(Dependency Theory, World Systems Theory)

端的に:途上国が発展しない理由は、先進国を中心とし、途上国を周辺とする世界システムの中で、途上国が付加価値の低い製品作らされて高い製品買わされているからである。(これを敷衍すると、発展するにはこの従属の連鎖を断ち切るべき、とする人もいる)

主な論者:Wallerstein (世界システム論)

時代:1970年代ごろから、1.じゃ発展しなくない?という問題意識の下で

批判:世界マーケットの一部になることで発展している国がたくさんある中で正しくないのではないか(例:インド、韓国)

 

3.ネオリベラリズム(ちょっと異質な理論)

端的に:発展するためにワシントンコンセンサス導入しろ!自由かを

ワシントンコンセンサス

1. Fiscal policy discipline (avoid large fiscal deficits to GDP ratio)
2. Redirection of public spending: subsidies→broad-based provision of key pro-growth, pro-poor investment;
3. Tax reform, broadening the tax base and adopting moderate marginal tax rates;
4. Interest rates that are market determined and positive (but moderate) in real terms;
5. Competitive exchange rates;
6. Trade liberalization (low tarriffs)
7. Liberalization of inward foreign direct investment;
8. Privatization of state enterprises;
9. Deregulation
10. Legal security for property rights.
主な論者:(Friedman) IMF, WB

批判:この国々にこれ無理じゃない?→失敗

備考:これへのもう一つの批判として、こんな画一的な政策要請していいのか?というものがあった。次につながる。

 

4.批判理論(Critical theory)

端的に:本当に発展ってそんな単純なことなの?いろんな発展がいろんな人にあってしかるべきではないか?なんでみんなアメリカにならないといけないの?そもそも発展って何?

主な論者:Sen, Nussbaumなど。いろいろ

批判:じゃあどうすればいいの?があまりはっきりしないこともある

重要:以上の1.から3.は、Modernization Theoryをなんとなく背後にしたEconomic Development重視の理論だが、批判理論により、 Sustainable Development, Gender focused Development, Human developmentなどいろいろな新しい視点が出てきた。

特に、Capability approach が今の発展では重要とされている。人間はFunctioning (What we are capable, want to be capable, or should be capable to be and/or do)ができるようなCapabilityを与えられる存在であるべきである、ということを基本的な趣旨としている。どういうcapabilityが重要にされているかの例として、Nussbaumの10のcapabilityがある(Life, Bodily Health, Bodily Integrity, Senses, Imagination, and Thought, Emotions,  Practical Reason, Affiliation, Other Species, Play, Control over one's Political & Material Environment)。これは、SDGの背景にある考え方になっている。

 

☆それに対して誰が誰に対してどういう責任を負うのか?(特に先進国・国際機関→発展途上国へ)

責任の議論は、発展途上国から搾取してきたから先進国は何々あげるべきだ~というとても大雑把な議論もできますが、たいていのディベートでは、まああるかもしれないけどだからなんでこういう形態で発展させるの?という話になってしまう気がします(環境と発展とかいう話が出てくるとまた少し変わってきますが)。なので、私はだれが何を必要としていて、それを誰が提供できて、あるいは先進国が何々を提供したら、こういうメカニズムでこういう発展ができるんだよ、という説明をしたいと思いますし、そういうのを聞くのが好きです。

なので、ここでは発展ディベートに出てくるアクターの話をします!Waltzの理論でいえば、↑でシステムの話がある程度出てきたので、Man と Stateの話ですね。

1.国

発展途上国:いろいろあります!!!!どの発展途上国の話をしているのか、常に意識しましょう。

大きさを基準とした区分として、

Least Developed Countries : 最貧国、後発開発途上国、第四世界。47か国。定義上、Poverty, Human Resource Weakness, Economic Vulnerabilityがある。例:アフガニスタンシエラレオネはじめサハラ以南アフリカ諸国の多く、ミャンマーなど

Frontier Markets: 27か国くらい。最貧国よりは発展しているが、Emergingとするには小さい。例:ベトナムケニアスロベニア、アルゼンチン、バングラデシュなど

Emerging Markets:発展した市場の特徴も持っているが、完全には発展していない国

例:チリ、ペルー、ハンガリー

Newly Industrialized Economies: 発展しきってはいないが、マクロ経済的にほかの発展国を追い抜いた国。

一覧:ブラジル、インド、中国、南アフリカ、メキシコ、マレーシア、タイ、トルコ、インドネシア、フィリピン)

・先進国。これはもう少しわかりやすいですね。ただ、重要な議論としてPutnam の2レベルゲーム(国内政治も考えようね!!)的な話を忘れないと分析が広がる気がします。

 

2.機関

・国際機関:発展で重要なのは、IMF, 世銀、国連(後日栗の記事が挙がります)

NGO:国際NGO、国内NGOなど、多岐にわたります。例えばバングラデシュに確か6000個くらいあります。

・国内機関:地方自治団体、国内企業、ロビイング団体などなど

 

3.人(特に援助対象としての)

例えばの軸:

・子供と大人

・エリートと民衆(特に政治家、産業家がこういう国でどういう立場をとるのか)

貧困層と富裕層

・男と女、性的マイノリティ

・低賃金労働者とskilled labor

・主要民族と少数民族、主要な人種と少数の人種

 

具体的に描くと、どういう人がどういう発展を求めていて、何かを導入するときにどう動くのかが見えやすくなるかな、と思います!

 

長くなりました(今度からもうちょっと使いやすくまとめます)が、もし使える分析があれば幸いです!思ったこと+こういう理論とかもあるよーなどあればコメントいただけると助かります!

ではまた~

 

世界大会に向けて

こんにちは!

ブログにお越しいただきありがとうございます。

蟻(ディベート歴3年ちょい)です。

 

これから、私はチームメイトの栗(ディベート歴2年ちょい)と、半年をかけて大学対抗英語パーラメンタリ―ディベートの世界大会(Worlds University Debating Championship; 通称ワールズ)出場に向けて練習をしていきます。

 

こちらのブログでは、世界大会に向けた練習の様子、日ごろ考えていることなどをつづらせていただきます。

将来WUDCに出る人を含め、広く日本語が主言語でも英語ディベートをやっている人に参考になれば幸いです。

 

はじめるにあたって、英語パーラメンタリ―ディベート活動とWUDCの紹介をさせていただければと思います。

 

1.What is English Parliamentary Debating?

英語パーラメンタリ―ディベートは、議会での討論を模した競技です。

色々な形式がありますが、私たちが出る大会はBP形式(British Parliamentary Style)ちう、イギリスの議会の方式に依るものです。

BP形式では、試合開始の15分前に、肯定側に立つか否定側に立つかが指定され、議題を提示されます。

パートナー一人と協力しつつ、自分たちのスピーチを準備します。

スピーチは一人7分間ずつで、1分経過した時点から6分経過するまでの間は、反対側のチームからPoint of Informationという質問をすることができます(しゃべっている人は必ずしも質問を受け付けなくても大丈夫です)。

また、この形式の特徴的なこととして、それぞれ肯定側、否定側に2チームずついます。

そうなんです。4チーム対抗で、1位(3点)→2位(2点)→3位(1点)→4位(0点)という感じで、点数がついていきます。

そのため、戦略としては、「とりあえずびりは絶対とらない!!」というのがとても大事なんですね。

 

2. What is WUDC?

WUDCはBP形式パーラメンタリーディベートの世界大会です。毎年、世界各国から200チーム以上が参加し、9試合の予選の合計点数が高いチームが予選を突破、トーナメント形式の本戦に出場できます。

昨年度の優勝チームはハーバード大学、というように、欧米の名門校が本戦を独占する傾向が例年続いています。

私たちは、今年開かれるCape Town, South AfricaのWUDC 2019に出場する予定です。

日本人が「メイン」という英語を母語として話す人のカテゴリーに進出したことがない中、色々と不安はありますが、パートナーやほかの大学の出場者などと力を合わせ、結果を出せるように頑張ります!!

 

半年間、どうぞよろしくお願いします!!