Case Constructionについて(和訳)

こんにちは!蟻です。最近は基礎に戻ることを意識して、Euros training platform のビデオをたくさん見ています。こちら、Ashish KumarのCase constructionについてのビデオのまとめです。

ケースについて:

タイプ①:アーギュメントが一つしかない。One obvious issue in the debate

(例)THW ban violent video games:cause more violence in the real worldくらいしか、やる理由がない

 

タイプ②:複数の、それぞれ独立して勝ちうるアーギュメントがある。

(例)THW legalize the sale and consumption of all drugs

Gov: people are self governing, and they should have the right to decide what to put in their bodies (自己決定権)

Gov: the war on drugs has been a dismal failure, and consequentially having a regulatory mechanism to govern drug use will make sure that people's lives will be much better(いわゆるプラクティカル)

→どっちかで負けても、片方で勝っていればディベートで勝てる

(例)THBT the language of instruction in all primary and secondary education in all African countries should be in English

→勝てる

教育の利益、コミュニティ統合の利益、外交の利益、国内だけでなくアフリカ大陸全体でのアイデンティティの変化の利益

 

どちらのタイプのケースを建てるかで、ディベートにおいて

・何を守らないといけないか(何の話で勝たないといけないか)

・どうして勝たないといけないか

がわかる

タイプ①だったら、大きなアーギュメントを小さい部分に切り分けて、それぞれの部分を証明しようとする

リスク:部分がすべてつながりきらないと、負ける(Need to ensure that all the links in your argument are present)

利益:簡単。プレパで

アドバイス:使いやすいストラクチャーの型がある

最初のポイント:どう、ディベートで勝ちたいかのクライテリアを示す

(例)Restricting some kind of expression: 最初のポイントは、いつ政府が表現を制限していいか。「合理的で自由な個人の行動を政府が制限していいのは、第三者被害、合理的な決断ができないとき、などである」

→ジャッジに、どう、自分の議論が評価されるべきかを示すことができる。

特にクライテリアがないときの最初のポイントは、どういう問題があり、勝つためには何を示さないといけないか

(例)Post conflict stateのディベート:Two overriding goals that need to be fulfilled。1.Persuading people to live together 2.The institutions of democracy are the ways they should resolve disputes

→こうディベートが評価されるべきである、と出すことができたら、その後のポイントは、なぜそのクライテリアを満たしているのかを証明すること

 

アドバイス

①Your solution is not just good but a the most effective, or at least a uniquely effective solution(自分が出した解決策がよい!というだけではなく、最も良い、あるいは少なくとも特によい理由)

→オポが、違うメカニズムで同じ問題を解決できる!といってくることを防ぐため

②Soft debates:文化、歴史問題などのディベート:メカニズムに徹底的になる

(例)THBT war memorials should commemorate both sides of the conflict

THBT war memorials should not contain religious symbols

→プレパで、なんでメモリアルが大事なのかを考える方がいい。タイプ①のケースだと、この部分が抜けるとケースが立たなくなってしまう。

例えば、

  ①Play important role in education: Children go to these places.(教育)

  ②Important in symbolic construction of the state, sites where rituals of national identity are conducted, and leaders have to engage with them(国家のアイデンティティ

  ③Play an important role in public consciousness: help people construct an idea of what the idea of the state is. Reflexive, reflective mood.(公共の中での役割)

→ソフトなケースでも強く立ちうる。

 

タイプ②:珍しい。

戦略的に重要:プレパでどのアーギュメントに集中したいか、どれで負けてもいいと思うかを考えることが大事。どれを優先したいかを決めるべき。

なぜ大事か:リバッタルをする時に、全部守ろうとしてしまって、負けることもある。

5個アーギュメントを出して、相手が4つ反論すると、ジャッジとしてはあと一つ勝ちうるアーギュメントが残っていたことを忘れてしまうことがある(負けたように見えてしまう)

残りのアーギュメントは、クロージングに取られないようにするためにバーッという。

 

※タイプ①と②はスペクトラムである。

多くの場合、勝ちうるアーギュメントは3,4個あるけど、本当に強いのは1つくらいである。

(例)THW pay reparations to the descendants of slaves.

アーギュメントは、プラクティカルではない(貧乏な人を助けたい!というなら、オポは、福祉政策を強くする)

重要なのは、なぜ仮に奴隷の子孫で割と裕福な人がいても、政府がお金を払うべきか、というところにある。政府が、このような責任をこういう人に負う、ということに帰着する。

①Why are states responsible for the atrocities of the past(なぜ政府は過去に対して責任を負うのか)

②Why do atrocities of the past connect to the present (なぜ過去の影響を人はまだ受けるのか)

③ Why do people still benefit from atrocities of the past and why is it legitimate to tax them(なぜ)

④ Pragmatic political and economic benefits

→タイプ①と②の中間

重要:ケースの構造を意識する。①②③をきちんと守り切らないといけない。④は、勝マージンを広げられるけど、①-③よりは重要ではない。

 

4 Psychological Tips 

①大きなクラッシュを作ることを恐れない。

大事な理由:はっきりしたクラッシュを出さないと、ディベートでうまくなれない(笑)

②プレパで、すぐに話し始めない。

多くの場合、面白いニュアンス、コンテクストは話していないときに出てくる。

③数は質ではない。アーギュメントが一つしかないときもある。

④悪いと思うアーギュメント(つまらない、インパクトがない)と思われるアーギュメントでも、ちゃんと話せばいいアーギュメントになることも多い。

 

戦略的に効果的なケースをどうやって作るか

①常識はほとんどの場合に、あたる。

道端の普通の人にこの話をしたら、どう反応される?それいいね!と思われる?それはなんで?もし思われないとしたら、懸念点は何?

→こう考えると、面白くない、重みがないと思われるアーギュメントが出てくるけど、そういうアーギュメントを言葉、フレーミング、プリンシプルなどで強くしていくのが肝。

(例)THW ban violent video games のオポ

普通の人に聞いたら:①別にviolence増えなくない? ②Violent video game好きな人多いし、やらせてよくない?

プレパできちんと考えれば、もっと面白い方法で説明できる

→この例で言うと、This is Government sanctioned identity based discrimination. Violence, ritual dominance, bloodlust, aggression are fundamental parts of human nature that we ought to celebrate. In real life we can't realize this because of third party harm. However, in a virtual world, you can build your lifestyle around violence without the associated harms. The government should not discriminate against you for engaging in this lifestyle choice, purely on the basis of feeling uncomfortable with that choice. And it doesn't matter: you have a community, you can set goals, you get a sense of achievement. 

でも、これって、楽しいじゃん!以上の何物でもない。

 

②一番いいアーギュメントはコンテクストに関わらず成り立つ。

(例)THBT in post conflict states, prominent members of groups that fought against the state should not be able to serve in the state

問題:ガバのアーギュメントが立てづらい。

勝った時、負けたとき、いろんな国、いろんな集団(歴史問題のために戦っているの?原状の問題?正当性のないISISのような集団?Ethnic minority? Ethnic majority?)を考えないといけない。

→想定されるアーギュメントの一つあるいはほとんどが、コンテクストに依存する

オポ:Governments should not restrict capacity of people to run for office/ People should have the broadest possible choice of representative leader

State is tyrannical organism, and with huge power over people, that powe is in want of justification. The only justification is that people gave that power, and the only way that is legitimate is if people have a real choice. (明確だから、2-3分使いたい。ほぼデフォルトでディベート勝てる)

※必ずしもこういう、コンテクストに依存しないアーギュメントはプリンシプルに関するアーギュメントではない。

ガバ:How is the democratic campaign itself going to be run? Are we going to get concerete discussion of important issues, how are your opponents going to besmirch you, reopening of tribal wombs, toxic identity politics not conducive to long term democratic stability?

→勝ち負けとか考えなくてもいい。けど、minority かmajorityかは考えないといけない。

※エクステンションにも有効な考え方。

オープニングは、勝ち負けの話をしたけど、その議論は選挙の結果次第である。クロージングからは、選挙の結果に関係なく成り立つ議論をする。→勝ちやすい

 

③ケースのスペクトラムがある場合:三つの対処方法

A. 最悪のケースを最初から議論する:そこで勝ったから他のコンテクストでも勝っているよね。

(例)THBT indigenous people should always be able to raise an absolute defense of cultural practice in response to all crimes

FGMなどについてになる。最悪のケースを議論することを、モーションが要求する。

(例)THW ban race based parties from running for political officeのオポ

オポとして、there are good parties based on race fighting for racial equlityということも可能だけど、同時にオポとして、even bad race based parties ought to have a voiceと言える(banning parties more harm than good because of political effects)

→特にエクステンションとして有用。ハードケースに行く。説明の仕方として、オープニングより私たちの方がもっとプリンシプルっぽい~、もっと深い、もっと強いと見せることができる。

B. Divide and conquer:スペクトラムを分け、それぞれの場合について説明する

(例)THW criminalize the payment of ransom

コンテクスト:子供が誘拐され、犯罪組織が家族をブラックメイルする

→親を犯罪に問うのは、ほとんどの場合親は子供を救うことを選ぶので、不公正である。Moral luck:誘拐される不幸に遭った親は、二重に罰せられているようで、かわいそう。Morally deficientなように

こういう議論もできるが、

コンテクスト:ソマリア沖の海賊がオイルタンカーを捕まえる

→これが正当な行為である。領海を通り過ぎる船に税を課すのと同じであり、企業は保険があるからそこまで被害を受けない。

コンテクスト:war journalism。戦争ジャーナリスト

→これを払わないと、実地調査をするジャーナリストが減り、こういう問題解決が遅れる

このように、それぞれ非常に強い、全然違うアーギュメントが立つコンテクストが立てられるモーションがある。

C. (一番簡単、まあまあ効果的)スペクトラムを分け、コンテクストのうち一つだけ重要で、他は重要ではない

(例)Backlash

→あまりうまくできていないことが多い。

理由:自分が重要だと言っているスペクトラムの一点が、本当に

この人たちが影響されると言うには、なぜその人たちの頭の中で両側の議論がほぼ等しい重要性を持っていて、このモーションを採ることでそれがどっちかに傾くかを示さないといけない。

(例)THW pay dictators to step down from power

常識:Dictators are bastards, so we shouldn't pay them. 

ちょっと発展型:This would encourage dictatorships. How do dictatorships form? They form from weak democracy. People want to enrich selves, decide that the current government is ineffective... It's a gradual process, and in that process, the knowledge that you might be granted immunity at the end of process might be significant factor in poltical machinations that allow dictators to rise. Personal risk might play a significant role in these contexts.

→ジャッジにコンテクストを与えることが、この戦略が立つための重要な方法である。

この三つを分けるのが重要な理由:他の戦略があることを思い出せる、複雑性を認めて合理的に対処する方法をジャッジに与えることができる

 

④モーションの具体的な要求にこだわることが重要

理由:エクステンションに抜かれかねない、オポにいろいろ言われる。

(例)THR organized religion(タイプ②)

ガバ側のアーギュメントの多くは、宗教が悪いことを前提とする

→オポが楽になる:Religion is not that irrationalということで、反論しやすくなる

→ガバとしては、Religion is great, we celebrate religion, and happy to say that there might be a god. However, organized religion undermines true meaning and benefit of religion. Through profusion of doctrines that solidify human power structures, meaningless rituals, inherent conservatism to remain different and justify existence.

これが戦略的に有用な理由は、オポに、組織構造の議論にエンゲージしなさい!ということを要求できることと、CGに宗教が悪い、というアーギュメントを出させないという二重の意味がある。

※毎回やれ、ということではない。でも一般的なルールとしてこうしたほうがいい。

 

まとめ

① タイプ①とタイプ②のケース:アーギュメント間の関係性に注意せよ!それ次第で戦略を変える必要がある

② Psychological tips

③ 戦略的ジレンマにどう立ち向かうか

①常識! ②コンテクストがたくさんある場合はコンテクスト関係ないアーギュメント出そう ③コンテクストたくさんある場合の対処法3つ ④具体化)