ファーストスピーチについて

お久しぶりですうううう

栗です。久しぶりにブログ書いてみました。ワールズ終わって所感を含めつつファーストスピーチについて書いてみたんですが結構普通な感じになってしまいました。

 

内容としては後輩向けなところが大きいので、ジェミニ出る人とか読んでみてくださいね。

 

 

以下コピペ

 

ファーストスピーチ

UT 栗原悠太朗

(注)エジュケやコラ!って感じで書いたわけではないので、色々曖昧だしテキトーです。鵜呑みにしないで。自分もまだ全然できてないから言語化できない、というのもマジで大きいです。

 

目次

  1. ファーストスピーチの理想
  2. イントロ
  3. アーギュメントの構成
  4. 分析とは?
  5. ファーストスピーチの練習方法

 

 

 

  1. ファーストスピーチの理想
  • 個人的にEFLスピーカーとしては、ファーストスピーチはoutstandingでなくてもいいと思っています。ニックさんみたいなヒィ芸術、って感じのが出来ればそれに越したことはないけど、おそらく一番大事なことはカチッとしたケースのdeliveryがきちんとできているかです。一年生スピーチをめちゃ強くしていった感じで十分だと思います。あと一番大事なのは爆死しないこと。どんな窮地でも、OGのジャックポットのアーギュメントについては最低限建ててくるということです。
  • その意味で、参考にしてずっと見ていたのはUT MARAのJasmineのスピーチです。Conciseかつconvincingで、そんなにマシンガンでもない。聞いてみて。また、有名なBen WoolgarのPaying Reparations to Womenの音源は、一周回ってEFLにも目指せるスピーチだと思います。わかる話を、わかりやすく話す。これだけです。

 

  1. イントロ
  • よく言う話ですが、イントロの1分間で自分たちのアーギュメントのコアがしっかり伝わるようにしましょう。PMなんだったらどのような問題を話しているのか、LOならPMの話を受けてどのようにモーションを否定するのか。
  • イントロはコンテクスト話して外堀埋めろ!っていう言説について

多分、Imran Rahimとかはこれです。現状がどのように見えているか、そもそもこういう問題ってこういう感じで起こっているよね、みたいなことをじわじわと固めていく感じです。

試したんですけど結構難しくて、しばしば冗長になってしまいました。できる人は、あるいは出来る時はやればいいと思います。

代わりに、その劣化版として(調子がいい時の)栗原がやろうとしたのは、イントロでプロブレムをパシっと一言で話した後で、”We are talking about こんな人orこんなこと!”って感じで一つか二つ、intuitiveな例を挙げることです。例えばTHO slum tourismにおいて、普通にスラムの人たちに失礼じゃねって話をイントロでするときに“We are talking about 遊び半分でスラム行ってちょびっとカネ撒いて住民の横でピースサインして写真をインスタにあげて#国際貢献とか抜かす大学生!”とかです。(めっちゃ偏見入ってますね、すみません)

これをやると、イントロからの雰囲気作りがそこそこ上手くいくと思います。

 

  1. アーギュメント

正直言って、物によるよねとしか言えない部分も大きいです。現象が起こることを説明する方が大変な時もあれば、現象がほとんど所与のものとして自明な時にその価値について議論することが求められる時もあるからです。両者において説明の方法は結構違っていて、型に当てはめすぎると自爆するので聞き流し程度でお願いします。

 

一般的にはAREAと言われていますね。もちろんアーギュメントの内容や種類にもよるんですが、個人的にこれでは不十分だと思います。古い。というのも最近のトレンドとして、レトリックやイラストで大事そうな雰囲気を出すことよりもインパクトを「明示的に」説明することを求められるからです。

 

代わりにやろうとしていたのはSEXIというやつです。セクシー。Helena IvanovがWhipスピーチについてのレクチャー動画で言ってました。Statement, Explanation, eXample, Impactです。最後のImpactが鍵だと思います。

  • Statementで説明したい現象を一言でラベルします。ポイントは、この時に解像度を高く保つこと。Statementが”It is harmful”とかは論外です(それはモーション)。せめて“It reduces the traction from majority allies”くらいにしたいところです。
  • Explanationはそのまま、なぜそれがlikelyに起こるのかの説明でいわゆる「分析」というところです。個人的に一番苦労したところですし、なんだったら今でもまともにできないです。これに関してはあとで独立して書こうと思います。
  • ExampleはFact, Illustration, Analogyだと考えています。この人がこうなる!というストーリーを話す時は、例を何個も挙げるよりは一個を説明しきることの方がはるかに大切です。(Factにおいてもイラストにおいても)

 

ここまでで、ある現象が起こる、もしくはあるプリンシプルの価値体系があるということはそれなりに説明できると思います。

しかしこれだけだと「わかるけど、で?」ってなるので次が大切です。

 

  • Impactは、言い換えると”Why do we have to care about this?”というものに近いです。イラストの段階で出てるだろ!と思うかもしれませんが、それを明示的に、抽象化した形で説明することが大切です。その現象が起こったらなぜやばいのか?を頑張って話しましょう。(簡単な例だと、religious practiceが自由にできなくなったらヤバイよね?のヤバさをここでちゃんと話すということです。)これが絶対的インパクトとなります。

 

このとき、相手の守りたい価値とどう比べるかということが重要になってきます。これが相対的なインパクトになります。(いわゆるeven ifのお話) 正直自分はあまり体系化できていないです。というのも、比較のやり方に正解がなくてマジでケースバイケースになるからです。地道に色々見て、試して、考えるしかないと思います。シンプルにハームで殴る(こっち人死ぬやん。プライバシーとか比べ物にならんわ!)とかも意外とちゃんと言っとくといいです。

 

この絶対的、相対的インパクトの概念は自分でもまだうまく言語化できていないので聞き流してください。

ただ、自分のアーギュメント単体でのインパクトと、相手と比較しての優位を両方話さないといけないことは確かだと思います。

 

(例)

WUDC 2019 R8

THBT the US should disengage from Syria

 

COでした。GovがUSのせいで戦争が長期化している!みたいな普通のことを言ってて、OOがなんか難しい話をしてたんですけど、クルド人とかの話が丸々残ってたのでCOからその辺を話しました。ラッキー。

メンバーの有元さんはご存知の通り神なので、詳細なメカニズムと、人死ぬやん的な「絶対的」インパクトをゴリゴリ話してくれました。

それだけだと、Govの同じく「人死ぬやん」の話とぶつかった時にどうなるかわからないので(いや普通にメンバーで勝ってたらしいけど)、ウィップでは相対的になぜこちらの方がいいのか、というフレームを出しました。「アメリカの力があるおかげで、もちろん衝突とか小競り合いみたいなのはたくさんあるし病院が爆撃されてるとかはあるけど、まだfullest extent of military operationで全面攻撃殲滅作戦みたいにはなってないよね。そういうの、アメリカの脅威がなくなったらアサド政権には普通にやるincentiveあるから。だったらまだ水際で食い止めてる方がマシじゃない?」という感じでした。

 

もちろん、絶対的なインパクトをきちんと示すことが最優先です。これがないと比較する材料すらないので。この時期の一年生とか、Geminiに向けて色々と勉強したり、音源のかっこいいフレーミングとか先輩が使ってるような比較とかやりがちだと思うんですけど(一番みんなやりがちなのがBattering ramとかいうフレーズですね)、そもそもコンストの段階で絶対的なインパクトが出てない時にそれやっても本当に空虚に終わるしスピーカーもつかないから気をつけましょう。

それができた上で初めて、相手とぶつかった時にどう頑張るかというところに頭を使うのがいい気がします。

 

ここまで書いて気づいたんですけど相対的インパクトって要するにコンパリのことですね。ファーストの段階からガンガン言っていきましょう。

 

 

またこの時に「そもそも論」を分析すると、インパクト的なフレームが出やすい気がします。そもそもデモクラシーってこういうもののはずなのに!そもそも刑罰ってこんな目的でやってるんだったよね?そもそもDeveloping countriesってこういうpriority持ってたよね?実際例えばこういう時ってこんなconcernに基づいて動いてるよね?という感じです。

 

 

  1. 分析ってどう出すの?

マジで永遠に言われ続けてました。今も多分できないです。

溝さんやよながさんに言われたことをパクりながら、自分で咀嚼していったことを書きたいと思います。

 

  • 文脈、主体、対象の三要素

現象って大体、「こういうコンテクストにいる」「こういう性質性格を持った人が」「こういう対象を見て、受けて」こう動く、によって構成されていると思うんです。(よながさん談)

(ワールズ予選の前日に聞いた。その場ではわからなかったが後で考えて納得した。しかし実際の予選では考える余裕はあまりなかった。ごめんなさい。)

 

(注:やべえコンテクストの側面埋めてねえ!死ぬ!ってなる必要はありません。本当かどうかもわからないもしくは関係もないコンテクスト分析を無理やりぶち込むよりは、思い付いているconvincingだと思う分析をちゃんと話してください。あくまで、考え方の枠組みにすぎません。)

 

(例1) Tokyo Mini 2018 R2

Democratsが、Democratic socialism (大雑把に言うとRadical Left)に戦略シフトしたほうがいいよね!というモーションのGov

 

Palpable change!の印象を押し出すほうが票が集まるよねというアーギュメントに当てはめてみると、

  • トランプがImpressionist strategyでポピュリズム的な風潮を仕立てている状況、かつ民主党がsame old shitとlabelされて、その印象がボトルネックになって有権者層からの支持を失っている状況で、
  • Taylor Swiftが民主党支持を表明しただけで一気に民主党に流れたくらい印象重視で政策の中身を精査なんてしていない有権者層が、
  • Democratic Socialismの持つ強い改革のメッセージや、バーニーサンダースの持つカリスマ性などをperceiveすることによって

 

共和党派から抜け出して、あるいはpolitical apathyから脱出して民主党に投票するようになる、みたいな感じでしょうか。最低限つけるとすれば。最低限とは言いつつ、意外と詰まってるように聞こえません?

 

 

(例2) よくある「フェミがclassic Disney filmsを批判するべき」のガバ

 

オポのバックラッシュの話に「そんなの起こらねーよ!」って言いたい時

 

  • すでにいろんな作品がリベラルになってきていて、制作段階や賞の授与でもジェンダーバイアス度みたいなcriteriaも増えてるし、評論家とかも最近そういうことについてよくしゃべってる中で、
  • 作品の世界観や大まかなストーリーなど、細かい設定とは別次元の部分での楽しみ方をしがちなファンたちが、
  • そこまでviolentにならず、「この側面はいただけないよね」って批判する程度のメッセージを見た

 

くらいでそんなブチギレたりしないだろ、って感じかな?知らんけど。

 

繰り返しになりますが、3要素揃ってないとconvincingでない、ということではないです。勘違いしないでね。

 

  • 相手の反論から分析を考える

これはスピ練とかしてた時に溝さんがよく言ってたやつです。PMからディベートを終わらせた感が漂う人のスピーチを聞くと、だいたいこれがちゃんと入ってるんですよね。

正直言ってOGの15分プレパでここまで出来たら神だと思います。僕は基本的にアップアップしてたのできつかったです。Asianではみんなで考えればまあやれそう。プレパ長いし。

 

正直、自分はこれをまだ体系化できていないです。興味のある人は溝さんに聞いてみてください。相手のツッコミも多種多様というか、一番食らいたくない反論は時によりけりなので。

念頭に置いておくといいのは、「相手のファーストリバッタルは潰す」ということです。

 

例えばさっきのフェミニズムとディズニーのモーションで、オポがバックラッシュの話をするとき、ガバがどうせ「そんなに反発ひどくならないですー」って言ってくるから、「反発の声が仮に小さかったとしても、フェミが嫌いな人とか興味ない人はそっちだけ見て『あーフェミの奴らうぜえ、こんな小さいことにウダウダ言いやがって。もう関わらないでおこう』って思って離れていくから普通にやばい」とか先に言っとこうかな、とか。

 

 

 

ここのあたりまでやれると、80とか見えて来るんじゃない??

とったことないけど。

 

 

  1. 練習方法

 

  • イントロ練

モーション見て1分とかで、プロブレムはこれ!パシっ!と話す練習。

特にEFLの僕は、いらない言葉(イントロで話す意味がない分析、政治家はこうだから〜メディアはこうだから〜とか)をだらだらと並べてとりあえず安心したい人間だったのでこれは役に立ちました。

大胆に勇敢に、切れ味よくバシバシ!とプロブレムを話しましょう。

最初は簡単な、一年生大会とかで出るようなモーションで十分です。

 

凝ったイントロ(僕のおじいちゃんはね・・・とか)は、全部こういうシンプルなイントロができてからやってください。守破離の守をしっかりやろう。

 

  • アーギュメント詰める練習

さっき言ったSEXIをしっかり作る練習です。7分全部ではなく、アーギュメント一つをしっかり詰める。これも最初は簡単な、というかよくあるintuitiveなアーギュメントから始めていきましょう。

 

繰り返しが一番大事です。一つ練習したら、復習してもう一回スピーチするというのを習慣にしましょう。これはNEAOでAlfredに言われたんですが、自分のスピーチを一文一文止めて聞いてみてその意味を考えてみるのもアリかもしれません。意外と無駄なことたくさん言ってると思うし意外とインパクト出てなかったりします。改善してもう一回、7分全部でなくてもメインのアーギュメントについては復習スピーチをする。

 

練習問題1

THBT politicians who committed immoral but not illegal actions should resign

Govで、「scandalの追及で国会が止まるよりはwash awayした方がよくね」の話

 

練習問題2

THW use private military contractors for UN interventions, instead of multinational force

Govで「こっちのが素早くdeployできるよね」の話

 

練習問題3

THBT the process of decolonization should include actively disempowering religions that were imposed in the country during colonialism

Oppで、「もう人々は植民地とか関係なく普通に信じてるんだから奪うのダメじゃね」の話

 

  • ケース練

多分これが一番大事な気がします。おそらくうまい先輩(これはファーストがうまい、英語がうまいというよりかは、ケースの全体像を建てるのがうまい方々)を頑張って捕まえて見てもらうのが一番早いです。

モーションを見て、

 

プロブレムは何か?

例えばこういうコンテクストでのこういう人の話だよねー?(ふわふわしたモーションなら、どういう世界の話かを考える)

Gov、Oppどんな話? 

Clashは何か?

Burdenは何か?(ここでは大雑把でいいです。オルタナがなぜありえないか、なぜこっちでmovementがうまくいくか、くらいの粒感。)

実際どういうラベルのサインポストを建てようか?(個人的にこれ以外とむずい)

 

といういつもの感じをパパっと考えます。この時点で一度立ち止まってチェックしましょう。アーギュメントがずれてたら直してもらうと良いと思います。

 

 

ここからが多分頑張らないといけないところで、

  • それぞれのサインポストを示す時、その中にはどのようなステップが必要か?
  • そのステップのアサーションを示すためにどのような中身が必要か?
  • Gov、Oppのアーギュメントがぶつかった時に、結局どのような形で上回りたいか?

を考えます。

 

できたケースを見てもらう、でもいいですし、喋りながら考えていくヒントをもらうのもありです。

 

あと、ボトムアップで考えていく(こういうアクターはこうなって、、、)のは非常に強いのでそのまま続けて欲しいのですが、最終的にトップダウンの思考とジョイントしてケースを作っていかないと多分死にます。自分のケースにおいてどこが一番勝ち筋になっていてどこで比較していきたいのか、とかを考えましょう。

 

  • マナーの向上

ゆーてマナーは大事です。悪いと聞いてもらえなくなります。

鏡の前でスピーチしてみてください。有元さんはこれを毎朝か毎晩かやってたらしいです。

発音、抑揚、スピード、フィラ一に分けられると思います。

  • 発音

僕はEFLなのでとやかく言えないですが、あからさまなカタカナとかは流石に自分でわかると思うので治しましょう。

  • 抑揚

大事なところはトーンをあげる。大袈裟なくらいでいいと思います。

フラットに話すと、強調したい勝ちどころがわからないです。

  • スピード

NEAOでAlfredに、有元さんのスピーチは0.9倍速にして栗原のは1.1倍速にしたい、と言われました。速くなりがちな人は気をつけましょう。遅い人、スピーキング頑張って英語力あげましょう。

これ、辛いですよね。練習で一切禁止にするといいと思います。練習で連発していると僕みたいに本番でひどいことになります。

 

どう練習するか?

抑揚とスピードに関しては、自分が好きで目指せそうなスピーカーを一人見つけて徹底的にパクるのがいいと思います。一年生とかがやりがちなBo SeoのThat is to sayみたいにフレーズだけパクってても意味ないです。その人がどのようなトーンで強調して話しているか、呼吸を掴みましょう。スピーチの一部分を完コピしてもいいです。Wordingとかはどうでもいいのでとにかく抑揚、雰囲気、呼吸を真似します。

それと同じような感じで普段のスピ練やラウンド練を繰り返すと、自然とマナーは向上すると思います。

 

 

 

こういう感じで練習していくのがいいと思います。ラウンド練は意味ないので週に一回か二週間に一回でいいのではないでしょうか。あと大会前にちょちょっとやる感じで。

 

非常に散漫な乱文ですが、何かの足しにしてくれると嬉しいです。